直政です。
今回から3回に分けて「特定遺贈」と「包括遺贈」について解説したいと思います。
遺贈とは遺言を作成して財産を特定の人に遺す行為です。遺言がない場合、法定相続人が協議のうえで遺産を分割することになります。
そのため、法定相続人以外の人が遺産分割協議に参加することはできません。
遺贈は特定遺贈と包括遺贈に分けることができます。今回は特定遺贈について解説します。
特定遺贈とは
特定遺贈とは特定の財産を、特定の人に遺言により財産を残すことを指定することです。
例えば自宅不動産を長男に遺すという内容の遺言を書いた場合などです。
遺言は必ずしも全ての資産について記載する必要はありません。そのため、自宅不動産についてのみ、特定遺贈の形で記載し、預金などの金融資産については一切記載しないということも有効な遺言です。
遺言に記載されていない財産については遺産分割協議で決めることになります。
遺言と遺産分割協議を併用で行うという形です。
ただし、子供が二人(長男と長女)いる場合、自宅不動産を長男に遺すことのみ記載すると、以下のように考えが分かれる場合があります。
①自宅不動産を長男がもらうのであれば、金融資産は長女が多めにもらうべき
②自宅不動産は金融資産とは別物と考え、金融資産は2分の1ずつ分割するべき。
上記の考えは2つとも間違っているわけではありません。正解がない中での話し合いになるため、なかなか折り合いがつきにくいものです。
特定遺贈の例文
特定遺贈の場合、どのように記載すればよいのでしょうか。
財産に応じて例文を見ていきましょう。
①不動産の特定遺贈
遺言者は、遺言者の有する下記不動産を、長男○○ ○○(昭和○年○月○日生)に遺贈する。
記
所在 ○○県○○町
地番 ○○番○○
地目 宅地
地積 100.00平方メートル
不動産の場合、上記のように記載します。地番は住居表示とは異なりますので、登記簿謄本などを見て確認するようにしましょう。
②金融資産の特定遺贈
遺言者は、遺言者の有する下記財産を、長男○○ ○○(昭和○年○月○日生)および、長女○○ ○○ (昭和○年○月○日生)に2分の1ずつ相続させる。
1.○○銀行 ○○支店 口座番号:○○○○○○○
2.○○銀行 ○○支店 口座番号:○○○○○○○
特定遺贈で財産を遺す人を指定できる
特定遺贈とはどの財産を誰に遺すか決めることができます。
不動産や貴金属など、誰に遺すか明確にしておきたい財産がある場合は特定遺贈で遺言を書いておくと良いでしょう。
特定遺贈では一部の財産のみ記載することも可能ですが、できる限り全財産の配分を決めておく方が好ましいでしょう。