障害者への非課税贈与制度を解説!

直政です。

障害がある子供を持つ親としては、自分が亡くなった後の子供の将来について不安に感じる方も多いでしょう。障害がある子や孫などに贈与をする際に一定額が非課税となる制度があることをご存じでしょうか。

今回は障害者への贈与をする場合に非課税となる制度について解説します。

非課税制度の概要

まずは障害者への贈与が非課税となる制度の概要について解説します。

障害のある方へ贈与をする場合、一定額まで非課税になりますが、通常の贈与のように直接口座に振り込むのではなく、特定贈与信託という金銭信託で贈与を行います。

金銭信託は信託銀行などで、契約し、一定額を毎月定額で振り込まれることを条件としています。

信託契約は

  • 委託者:贈与する方
  • 受託者:信託銀行等の金融機関
  • 受益者:贈与を受ける方(障害のある方)

という関係となります。

受託者である信託銀行は財産を管理し、財産が亡くなるまで受益者に一定額を給付しつづけます。信託契約は委託者が亡くなったあとも継続します。

特定贈与信託で贈与できる金額

特定贈与信託を利用する場合、贈与税が非課税となります。贈与できる金額は特別障害者の場合6,000万円、特別障害者以外の特定障害者の場合には3,000万円を非課税で贈与することが可能です。

比較的大きな金額を一括で贈与することができるため、相続税対策として有効です。ただし、障害を持つ子と持たない子がいる場合、財産配分に偏りがでてしまうため、平等にしたい場合は、相続時の財産配分で調整できるように遺言を作成することを検討してみてもよいでしょう。

特定贈与信託を利用するまでの流れ

特定贈与信託を利用するにはどのような流れで手続きを行えばよいのでしょうか。

①金融機関を決める

特定贈与信託は信託銀行などの金融機関でした契約をすることができません。まずはどの金融機関で契約をするか決めるようにしましょう。商品性に大きな差異はありませんが、手数料がかかる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。

②金融機関で事前相談を行う

契約する金融機関を決定したら、次に信託契約に伴う事前相談を行います。贈与金額や毎月の給付額などを確認します。給付金額を決定するために、毎月の生活費や医療費、現在の収入などを提出する必要があります。

③必要書類を提出、契約

契約内容が固まったら必要書類を提出し、契約書を金融機関が作成します。

必要書類は金融機関によって異なりますが、障害者手帳や戸籍、印鑑証明などが必要となります。事前相談の際に必要書類を確認しておくようにしましょう。税務署への申告は金融機関が行いますので、必要ありません。