遺言書の保管方法とは?

直政です。

遺言書は作成した後の保管も大切です。遺言書を保管する場合、どのように保管すれば良いのでしょうか。それぞれのメリットとデメリットを踏まえて解説します。

自宅に保管する

遺言書は指定の場所に保管しなければならないという決まりはありません。多くの人が自宅に保管しているでしょう。自宅での保管は特に手続きが必要ありませんので、手間も費用もかかりません、しかし、自宅に保管する場合は大きなデメリットがあるということを認識しておく必要かまおります。

デメリットの一つ目は、発見されないリスクや偽造、意図的に廃棄されるリスクがあるということです。相続人のうち最初に遺言を発見した人にとって不利な内容であった場合、偽造や廃棄される可能性が高くなります。

二つ目のデメリットは家庭裁判所で検認を受ける必要があるということです。検認とは家庭裁判所で遺言があったということと、その内容を保全する手続きです。検認の手続きに1ヶ月以上かかることもあります。相続発生後はなにかと忙しいうえに、相続税申告は10ヶ月という短い期間で行わないといけないため、検認に時間がかかるのは大きなデメリットとなります。

 

法務局に保管してもらう

自筆の遺言は発見されないリスクがあることや検認に時間がかかることは昔から問題とされてきました。このデメリットを解消するために、新しく定められたのが法務局に保管する制度です。この制度を利用することで、検認が不要となり、発見されないリスクや偽造・変造のリスクもありません。
印紙税を支払う必要があり、費用はかかりますが3,900円と非常に安価です。
ただし、法務局に保管してしまうと、書き換えが簡単にはできません。自宅で保管している場合は内容の変更をしたい場合、すぐに取り出して修正することができますが、法務局で保管している場合は、撤回の手続きを行う必要があります。

遺言者が亡くなった場合、相続人や遺言執行者は遺言書を閲覧することができます。自筆遺言のように検認の必要がないため、スムーズに手続きに入ることができます。

費用がかかることや、書き換えに手間がかかるなどデメリットもあるものの、自筆遺言の大きなデメリットであった、偽造・変造のリスクや発見されないリスク、検認の手間がないところを考えると非常にオススメの制度です。

遺言書の内容は自分で考える必要がありますが、書き方に不安がある場合は司法書士などに相談してみるようにしましょう。