「遺産分割ってなんですか?」
「遺産分割にはどんな方法があるのですか?」
直政です。
遺産分割は、相続人でどのように相続財産を分けるのかということです。
遺産分割は、相続人同士で協議をして行います。
法定相続分を参考にすることになりますが、相続人全員が納得しているのであれば、分け方は自由です。
本日は、遺産分割の4つの方法についてご説明します。
遺産分割協議の際の、参考にしてください。
遺産分割とは
遺産分割とは、相続人間で話し合いをして相続財産を分配することです。
遺言書があった場合は、原則その内容に従って相続財産を分けることになります。
しかし、遺言書がない場合は相続人間で話し合いをするのが通常のやり方です。
遺言書があっても、相続人間の話し合いで相続財産を分けることは可能ですが、遺言書の中で遺産分割が禁止されていることもあります。
その場合は、最長で5年間は遺産分割をすることができません。
遺産分割をする際は、法定相続分を参考にして行います。
最もわかりやすく、納得感のある分け方が法定相続分で分けることだからです。
ただ、法定相続分で分けなければならないということではないので、相続人が全員納得できるのであれば、どんな分け方をしても問題ありません。
【遺産分割①】現物分割
現物分割とは、相続財産をそれぞれそのまま分けるという方法です。
例えば、不動産は長男、預貯金は次男、現金は三男というかたちですね。
現物分割は、最も簡単でわかりやすい遺産分割の方法になります。
相続財産のそれぞれを、そのままの状態で特定の相続人と紐づけていけばいいのですから。
しかし、問題は相続財産の価値によって、相続人間で不公平感が出てしまうことです。
法定相続分なら1000万円もらえるはずなのに、現金500万円だけしかもらえない、長男は2000万円の不動産を相続するのに。
そんなことが起きてしまう可能性があるのです。
現物分割は、最も簡単で分かりやすい反面、不公平感が出てしまうのがネックです。
不公平感が少ししか出ないのであれば、現物分割を選択するのがいいでしょう。
【遺産分割②】代償分割
代償分割とは、特定の相続財産を相続する代わりに、差分をお金などで支払うという方法です。
例えば、最も高価な不動産を相続する代わりに、他の相続人が少なくなってしまった相続分を現金で支払うというかたちですね。
イメージとしては、先ほどの現物分割のデメリットをカバーするような方法です。
足りない分を現金でもらえるのであれば、不公平感はなくなります。
最終的には、全員が平等な相続分とすることが可能です。
しかし、代わりに支払うだけの資力があることが前提の方法です。
その資力があるかどうかが、代償分割のネックになります。
資力があるのであれば、納得感も得られるので代償分割は有用です。
【遺産分割③】換価分割
換価分割とは、相続財産をお金に換えて分けるという方法です。
不動産も有価証券も、すべて現金にして分配します。
ある意味では、最もわかりやすく平等な方法と言えるでしょう。
現金という価値に統一し、法定相続分で分けるというのは、全く不公平感が出ることはありませんから。
しかし、デメリットが2つあります。
1つは、不動産などもすべて現金化することになるので、そのまま住み続けることができません。
生まれ育った家を相続したいと思う相続人がいることもありますし、代々の土地を売ってしまってもいいのかと思う人もいるでしょう。
そういった場合は、現金化すること自体が難しいと思います。
もう1つは、現金化するのに時間とお金がかかることです。
不動産を売るとなれば、通常は仲介を通します。
売れるまでに時間がかかりますし、仲介料も登記の費用もかかりますよね。
その分、相続財産も減ってしまうのです。
特に相続財産にこだわりがなく、お金がかかっても平等に分けたいのであれば、換価分割の方法が適しています。
【遺産分割④】共有分割
共有分割とは、相続財産を共有する形で相続することです。
例えば、不動産を配偶者2分の1、子2分の1で所有するといった形です。
この方法も、平等という意味では確かに平等な方法だと言えます。
しかし、デメリットが大きいためあまり選択されることはありません。
不動産を共有した場合、処分するには共有者全員の同意が必要になります。
2人くらいであればまだいいですが、さらに相続が発生して共有者が増えることになれば、関係性が複雑になります。
簡単に言えば、後々面倒になってしまうのです。
必ずしも意味がないとは言えませんが、共有分割をするのであれば、他の方法を選択したほうが相続人にとっては後が楽になります。
まとめ
遺産分割の方法は、以上の4つの方法があります。
どの方法を選択するのかは、完全にケースバイケースです。
ただ、スムーズな相続をする最も良い方法は、やはり遺言書を残しておくことでしょう。
相続人間で話し合いをするとなると、どうしても軋轢が生じてしまうことが多いです。
遺言書を残しておけば、無駄な争いがおこることを防ぐことができます。
相続人のためにも、遺言書を残しておくようにしましょう。