「相続財産には、請求権なども含まれるんですか?」
「相続財産ではないものには、どんなものがあるんですか?」
直政です。
相続財産と聞くと、皆さんはどんなものを想像しますか?
おそらく、不動産や預貯金、車、有価証券といった価値のある物を想像する方がほとんどだと思います。
確かに、そういった価値のある物は基本的にすべて相続財産となります。
しかし、それ以外にも相続財産となるものがあり、それが債権債務です。
例えば、預金なども正確に言えば預金債権という債権になります。
債権の中には、相続できないものもあるのです。
では、相続できるものとできないものには、どんなものがあるのでしょうか。
本日は、相続できるものとできないものについて、解説します。
相続財産の整理
相続財産には、色々なものがあります。
冒頭でもお伝えした、不動産や預貯金などはすぐに思い浮かぶと思いますが、それ以外の相続財産については思い至らないかもしれません。
特に、債権については、そもそも何があるのかわからないということもあるでしょう。
相続が発生したら、まずはどういった財産があるのかを整理してみてください。
相続できる財産なのかどうかということは一旦忘れて、思いついたものを一覧にしてみるのです。
不動産や預貯金などは、すぐに出てきますよね。
なので、主に債権について考える必要があります。
被相続人が誰かにお金を貸していたら、その貸金債権も財産になります。
逆に、消費者金融などからお金を借りていたら、その債務はマイナスの財産として相続されます。
損害賠償請求権はどうでしょうか。
例えば、被相続人が生前に交通事故に遭い、自己の相手方に損害賠償請求をしていた場合です。
それも、財産となります。
いかがでしょうか。
債権債務にも色々な種類がありますので、まずはわかる範囲ですべてのものを一覧にしてみてください。
相続できるもの
相続できるものとできないものの違いは、一身専属権かどうかというのが大きな線引きになります。
一身専属権とは、被相続人だから行使できる権利のことです。
それ以外のものであれば、原則相続できるものとなります。
例えば、以下のようなものです。
不動産や動産
不動産や動産は、問題ないなく相続できますよね。
動産には、貴金属や家具など幅広い範囲の財産があります。
債権債務
預金債権や損害賠償請求権、借金などの債務です。
債権債務については、一身専属権かどうかというのがネックになります。
相続できないものについては、後述します。
賃借権
家を借りる権利です。
賃借権も、相続できるのです。
ただし、条件があって被相続人だから借りられていたようなケースでは、相続できない場合もありますので、注意してください。
相続できないもの
前述した、一身専属権に該当するものは相続できません。
一身専属権とは、被相続人だから行使できる権利だとお伝えしました。
では、どんなものがあるのか具体的にみてみましょう。
年金受給権
被相続人が年金を受給していた場合、その年金受給権は相続できません。
当然と言えば当然ですよね。
年金受給権が相続できるとしたら、相続が発生するたびにどんどん金額が大きくなっていってしまいます。
生活保護受給権
年金受給権と同じく、相続できません。
生活保護も、被相続人だから受給できていたものです。
相続財産とするのは、かなり無理がありますよね。
一身専属権以外
祭祀財産は、相続財産とはなりません。
祭祀財産とは、お墓や位牌などのことです。
こういった財産は、引き継いだ人が相続することになっています。
また、香典についても相続財産とはなりません。
香典は、被相続人ではなく相続人に参列者が贈与した財産とみなされるからです。
まとめ
相続できるかどうかというのは、一般的な感覚で考えていただければ、大体はわかるかと思います。
線引きとしては、一身専属権かどうかという部分になりますので、そのように考えて相続財産の整理をしてみてください。