「代襲相続ってなんですか?」
「代襲相続は、どこまでの相続人に認められているのですか?」
直政です。
代襲相続とは、被相続人が死亡した時点で既に相続人が死亡している場合、その相続人の代わりに相続権を引き継ぐという制度です。
日本の平均寿命は、世界でもトップクラスです。
長く生きていれば、自分よりも下の世代が先に亡くなってしまうこともあるでしょう。
そういった場合に、代襲相続が発生します。
本日は、代襲相続についてご説明します。
代襲相続の発生
冒頭で、代襲相続とは、被相続人が死亡した時点で既に相続人が死亡している場合、その相続人の代わりに相続権を引き継ぐという制度だとお伝えしました。
基本的には、相続人の死亡によって代襲相続が発生することがほとんどです。
しかし、それ以外にも代襲相続の発生原因があります。
それは、相続廃除と相続欠格です。
相続廃除は、相続人が被相続人を虐待していた場合などに、被相続人が家庭裁判所に申立をして、相続人の権利を失わせることです。
相続欠格は、例えば相続人が被相続人を殺害したなどの欠格事由に該当した場合に、相続権を失うことです。
相続廃除や相続欠格があった場合も、代襲相続が発生します。
ちなみに、相続放棄の場合は発生しないので、ご注意ください。
代襲相続の相続人の範囲
代襲相続ができるのは、直系卑属と兄弟姉妹の子だけです。
直系卑属とは、子の子、つまり孫や曾孫のことです。
直系卑属の場合は、続く限り下に引き継いでいきます。
つまり、孫も死亡していたら曾孫に、曾孫も死亡していたら玄孫に、というかたちです。
通常は、孫でストップすることがほとんどですけど。
兄弟姉妹の子、つまり被相続人の甥や姪については、そこまでしか代襲相続は発生しません。
甥や姪の子までは、いかないということです。
そこまでいくと、関係性もかなり薄くなってくるので、認められておりません。
ちなみに、代襲相続ではないのですが、通常の相続で直系尊属が相続人となる場合は、続く限り上に引き継がれます。
つまり、父と母が死亡していたら祖父母、祖父母も死亡していたら曽祖父母というかたちです。
直系卑属の代襲相続と同じように、ずっと続いていきます。
代襲相続の割合
代襲相続の割合は、被代襲者の割合をそのまま引き継ぐこととなります。
例えば、父、母、子という家族構成だった場合に、父が亡くなったとします。
その場合、母2分の1、子2分の1が相続分です。
そして、子が既に死亡していた場合は、孫がその2分の1の相続分を引き継ぐということになります。
孫が2人いれば、4分の1ずつということですね。
代襲相続の注意点
代襲相続の注意点としては、養子の場合です。
被相続人に、養子がいた場合に少し話が複雑になります。
問題は、その養子が相続発生時に既に死亡していた場合に、その子が代襲相続できるのかということです。
結論から申し上げると、タイミング次第です。
その養子の子が、いつ生まれたのかによって結論が変わります。
養子縁組をする前に生まれていた場合、つまり養子の連れ子だった場合は代襲相続は発生しません。
養子縁組をしてから生まれていた場合は、代襲相続が発生します。
なぜかというと、直系卑属に該当するかどうかがポイントだからです。
連れ子であれば、被相続人からみたら直系にはならないですよね?
養子にしてから生まれた子であれば、直系になるということです。
あまりないケースではありますが、注意してください。
まとめ
代襲相続は、意外と知られていない制度です。
相続が発生した際に、既に相続人の1人が死亡していたら、その人を抜かして遺産分割をすればいいかと考えてしまうでしょう。
しかし、代襲相続が発生すれば遺産分割がやり直しになる可能性があります。
相続が発生した際は、代襲相続のことも考えたうえで行動するようにしましょう。