直政です。
仕事等の都合で相続人が海外に住んでいるケースも徐々に増えています。
相続人が海外に住んでいる場合、手続きは複雑になりますので早めに準備が必要です。
特に現金だけでなく、不動産を相続する際は注意が必要です。今回は海外の相続人が不動産を相続する際の注意点について解説します。
不動産の相続登記とは
不動産を相続する際は相続登記をする必要があります。登記とは不動産を誰が所有しているかを表示するための制度です。相続登記は現在は義務とはなっていませんが、今後法改正によって登記が義務化される予定です。
登記が義務化されると、相続が発生しているにもかかわらず、登記をせずに放置した場合、罰金を科されることになります。
不動産の相続登記の方法
相続登記は以下の流れで行います。
①土地・建物の登記簿謄本を確認し、地番や建物番号を調べる
②戸籍謄本などで相続人を確定する
③相続人のうち誰が不動産を相続するか確認する
④遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名・押印(実印)する
⑤法務局に相続登記の申請をする
※登記申請時には相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明が必要
海外の相続人が相続登記をする方法
海外の相続人が相続登記をする方法は基本的に通常の方法と変わりはありません。
ただし、大きく違う点は海外に在住する相続人は印鑑証明が存在しないため、提出することができないということです。
海外に在住する相続人は印鑑証明の代わりに領事館などで発行されるサイン証明を提出する必要があります。
海外の相続人が相続する際のポイント
海外の相続人が財産を相続する際はどのような点に注意をすればよいのでしょうか。ポイントを解説します。
現金以外はなるべく相続しない
海外に在住する相続人がいる場合は手続きが簡単な現金を中心に相続することをおすすめします。
不動産や株式など手続きが複雑な資産はなるべく日本に在住する相続人に相続してもらうようにしましょう。
日本の口座を残しておく
海外に移住する場合もなるべく日本の口座を残しておくことが大切です。日本の口座を無くしてしまうと海外送金によって相続資金を受け取る必要があります。
話し合いはオンラインで行う
遺産分割について何度も海外から日本に帰国することは金銭的にも大きな負担となります。なるべくオンライン会議などを活用して話し合いを行うとよいでしょう。
遺言などを作成し、分け方を決めておく
海外に在住する相続人がいる場合は、相続人が全員日本に住んでいる場合よりも時間がかかることが想定されます。スムーズに遺産を分割するためには生前に遺言を作成するなど配分を決めておく方がよいでしょう。