直政です。
今回は不動産を複数保有している方の相続手続きについて解説します。
不動産の相続登記の流れ
不動産を複数保有している場合、不動産の登記が必要です。不動産の相続登記の流れを解説していきます。
①遺産分割協議を行う
不動産の登記を行う場合はまず、誰が相続するかを決める必要があります。遺産分割協議書には誰が何を相続するかを記し、法定相続人全員が署名・捺印を行います。
②必要書類を集める
不動産の登記を行うためには、前述した遺産分割協議書、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本、相続人の戸籍謄本と住民票、相続人の印鑑証明書が必要です。
③管轄の法務局と登記の申請を行う
書類が揃ったら登記申請書を記載し、管轄の法務局に申請します。管轄の法務局に申請後1週間から2週間程度で登記手続きが完了します。
登記にかかる費用
不動産の登記には費用がかかります。必ずかかるのが登録免許税です。登録免許税は法務局で収入印紙を購入し、登記申請書に貼付して納付します。
登録免許税は土地・建物それぞれにかかり、固定資産税評価額の1,000分の4の割合でかかります。
司法書士に依頼する場合は別途司法書士の報酬がかかります。司法書士の報酬は数万円程度ですが、不動産が複数ある場合や複数の法務局にまたがる場合はその分、司法書士の手間も多くかかりますので、報酬も高くなる可能性があります。
司法書士に手続きを依頼する際は事前に見積もりを依頼し確認するようにしましょう。
2024年から相続登記が義務化される
意外に思われる方も多いかもしれませんが、現在は相続登記に義務はありません。そのため、必ずしも不動産を相続しても登記をする必要はないのです。
しかし、登記費用がかかることを避けるために、登記されていない土地は日本中に多くあり、持ち主不明の土地として社会問題になっています。
これ以上持ち主不明の土地が多くなることを避けるために、2024年4月から相続発生から3年以内に登記を行わないと10万円以下の罰金が課されることとなりました。この制度により、今後は相続した不動産を必ず登記する必要があります。
遺言により手続きを誰かに頼むことも可能
遺言では財産の配分を決めることができますが、手続きをする人を決めることも可能です。遺言には遺言執行者といわれる遺言の手続きを実行する人を指定できます。
遺言執行者には法定相続人を指定することもできますし、司法書士や税理士など相続のプロを指定することもできます。相続人が遠方に住んでいる場合や仕事で忙しい場合などは遺言書に司法書士や税理士を指定しておくことで、相続人の負担を大きく減らすことができます。